高等学校・高等専門学校の主なTOEIC® Program活用目的

信頼が高く、ぶれのないスコアで評価

TOEIC Programのスコアは、その信頼性・一貫性を担保するため、データ分析や検証作業をはじめとする採点プロセスの管理を徹底して行っています。それにより、いつどこで誰が受けてもスコアがぶれずに英語力を把握することができます。

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授業や生徒の学習成果をスコアで定量化でき、英語力の伸びを分析可能

 

TOEIC Programの各テストは結果をスコアで提示するため、 授業や生徒の学習成果を測定・分析するのに役立ちます。また、スコアを基にした受験者同士の能力の比較や経時的な能力の推移が把握できます。

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出題範囲が決まったテストでは測れない、英語コミュニケーション能力を測定

 

学習範囲の達成度を測るテストでは測定することのできない、英語コミュニケーション能力が授業や指導によりどの程度向上したのかを測定することができます。

TOEIC L&R・TOEIC Bridge L&R では同じ人が何度受けても、英語コミュニケーション能力に変化がない限りスコアも一定に保たれるように、スコアは一問何点といった正答数による素点(Raw Score)ではなく、スコアの同一化(Equating)と呼ばれる統計処理を行い算出されています。

項目分析(アイテムアナリシス)による精度検証とスコアの同一化(Equating)

 
Point1

解答データは米国のETSで採点

  • TOEIC L&R・TOEIC Bridge L&Rは、日本で読み取った解答データを米国のETSで採点
  • テストの妥当性・信頼性を保つため、採点前後の項目分析(アイテムアナリシス)を通じた精度検証と、統計処理によるスコアの同一化(Equating)を実施
Point2

項目分析(アイテムアナリシス)による精度検証

  • 採点前には、無作為に抽出した解答データの正答率から設問(項目)ごとの難易度を分析
    万が一、不適切な設問が含まれていた場合は採点から除外し、採点の信頼性を確保
  • 採点後には、採点前分析の結果に基づき、統計学と心理統計学の専門家が全受験者の解答を対象にした検証を実施
    さらに、成績順グループ別の正答率を設問(項目)ごとに算出し、正答率に偏りがないかなど妥当性を確認
Point3

統計処理によるスコアの同一化(Equating)

  • 精度検証後、スコアは正答数そのままの素点(Raw Score)ではなく、スコアの同一化(Equating)と呼ばれる統計処理によって素点を換算点(Scaled Score)に置き換えて算出
  • 具体的には、新しいテスト作成時に、以前出題した問題のごく一部を必ず織り込み、スコア算出時に新旧テストを比較することで、難易度によるスコアのぶれが生じないよう調整

TOEIC® Programの開発・制作期間であるETSは世界180ヵ国以上、9,000ヵ所以上において、年間5,000万件以上のテストの開発・実施、採点を行っています。そのためETSは、多くの分野の専門家を雇用しています。TOEIC S&W、TOEIC Bridge S&Wの採点者は正式に許可を受けた大学の学士以上の学位を持ち、ESLなど、英語の非母国語者への指導経験が必要です。

人による採点と独自の採点基準により”伝わる”コミュニケーション力を測定

 
Point1

採点の品質維持方法

採点者は毎日「カリブレーションテスト」と呼ばれる採点の正確度を測るテストに合格しなければ、その日は採点することができません。受験者ごとにSpeaking、Writingそれぞれ最低3人の採点者が振り分けられます。複数人が採点をすることで偏った評価を防ぐことができます。採点者は担当しているクエスチョン以外、受験者のスコアを見ることができず、また採点作業はスコアリングリーダーなどがモニタリングし、採点の完全な正確度を目指しています。

採点の品質維持

 

1. カリブレーションテスト

カリブレーションテスト

採点前にテストを受けて合格しなければ、その日は採点することができない。

2. スコアリングガイド

スコアリングガイド

受験者1名の解答につき、各テスト3名以上の採点者によって設問ごとに評価される。

3. 採点のモニタリング

採点のモニタリング

スコアリングリーダーなどが、採点のモニタリングをしている。

Point2

意思疎通に重点を置く採点基準

スピーキングテストの採点は、発音が流暢でなく、多少文法的にミスがあったとしても、意思疎通に問題がなければ採点スケールに大きく影響することはありません。
自分の言いたいことが相手にきっちり伝われば、加点評価される実践的なテストです。 意思疎通に重点を置く採点基準
高等学校での活用事例

山梨県立甲府西高等学校

~「論理・表現」の授業との親和性が高く、成果検証・評価に有用~

TOEIC Bridge® Testsで課題を客観的に把握
例年、外部テストや模擬試験を生徒の学力指標のために活用していますが、今回、TOEIC Bridge Testsを1年生(現2年生)を対象に初めて実施しました。英語の4技能が全て測れ、そのスコアの信頼度も高いことから、全国平均や他校との比較で生徒の実力を客観的に測り、今後必要な英語学習の要素を判断するツールとして利用できるのではと考え取り組みました。
TOEIC Bridge Testsの問題は、身近な生活や日常的に考えているようなことを題材にしている点が、「論理表現Ⅰ」で行ってきた授業とも親和性が高く、生徒たちにとっては取り組みやすかったのではないかと思っています。
特筆すべきは、TOEIC Bridge Testsのフィードバックの早さです。3月に実施してその月にスコアが返ってきたので、生徒の意識が途切れることなく、今の自分のリアルな英語の実力として結果を受け止めることができたようです。
実は普段の授業や模擬試験などから、今回受験した1年生はリーディングの力がやや弱いと感じていたのですが、TOEIC Bridge Testsの結果から改めてその傾向を確認することができました。そこで2024年度は、自主学習の計画表にリーディングを多めに配分しています。TOEIC Bridge Testsは合否ではなく、機能別のスコアが提示されるため、生徒は自身の課題を客観的に把握することができ、自主学習に対する目的意識が高まり、意欲的に取り組むようになりました。
いつ、誰が受けてもスコアがぶれない点が強み
大学生や社会人になるとTOEIC Testsのスコアが必要となる場面も多くなるため、TOEIC Bridge Testsは難易度が違うとはいえ、テストの形式に慣れる意味も含め、今回の実施は、生徒にとって1つの大きな経験値になりました。
TOEIC Bridge Testsはいつ、誰が受けてもスコアがぶれない点が強みであり、もし継続的に受けることができれば、生徒にとって、自身の英語力の経年的な伸長を確かめるいい機会になると思っています。
最近は大学入試や推薦の条件にTOEIC Bridge Testsのスコアを利用する大学が増えているようですので、具体的にどのような大学が導入しているのかといった情報を、入手していきたいと考えています。そうしたTOEIC Bridge Testsの有用性が認識されれば、継続して受験するメリットもさらに大きくなると実感しています。
また今後、英語の発信力がいっそう重視されていく中で、例えばスピーキングテストだけを単体で副教材的に導入することが可能であれば、教育現場にとっては非常に有効なツールになると思っています。
生徒の将来につながる進学前準備に最適

英語力の向上の指針として活用できるTOEIC Programスコア。高校では、生徒の将来に向けた準備として導入する学校が増えています。

学校でのTOEIC® Program活用例
全国で 1,000 以上の学部 が 大学入試 にTOEIC® Programスコアを利用
早期合格・就職先内定を果たした3年生の継続学習を促進

高校では、指定校推薦や公募推薦などを活用し早期合格した3年生を対象に、大学入学時プレイスメントや英語共通教育の事前準備として活用されています。また、高等専門学校では、就職決定者を対象に入社後の新入社員研修、社内英語力測定、昇進昇格に向けた事前準備としても活用されています。

進学前教育(大学における活用イメージ)
早期合格・就職先内定を果たした3年生の継続学習を促進
公式教材・eラーニングなどで生徒の自学・学習をサポート
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高等学校での活用事例

花園中学高等学校(京都府京都市)

~実践的な英語に触れることで英語学習の必要性が実感でき、自学自習の習慣が確立していきます~

Q.貴校ではTOEIC Bridge L&R IPテストをどのように活用していますか。
本校の「進学カルティベートコース」は、3年生2学期で約6割強の生徒の進路が決まります。そこで、進路決定者のうち、指定校推薦やAO入試による大学進学内定者を対象に10月下旬から約3ヵ月間、進路指導部主管による課外の進学準備サポートを実施しています。

英語に関しては、2017年度からTOEIC Bridge L&R IPテストを導入しました。学年末テスト後のIPテスト受験を必須とし、受験に向けたガイダンスで配布する学習計画予定表に基づき、『TOEIC Bridge 公式ガイドブック』を使いながら自学自習に取り組むよう指導しています。専用の学習ノートは毎週回収し、私が全員分の学習状況を確認しています。
Q.TOEIC Bridge L&R IPテストを採用した理由を教えてください。
対象生徒たちの進学後について調べたところ、多くの大学で新入生の英語のプレイスメントテストにTOEIC Bridge L&R IPテストが導入されていたことが大きな理由の1つです。

また、生徒の中には英語に苦手意識のある者も少なくないため、大学進学後に直接役立つと同時に、より実践的な英語に触れられる機会を増やすことで、英語学習に対するモチベーションを高めたいというねらいもありました。
Q.TOEIC Bridge L&R IPテストをどう評価していますか。
まずは、大学や企業など高校卒業以降、様々な場面で活用されているTOEIC Programのテストを高校で一度経験できること自体が、生徒にとって大きなメリットだと感じます。また、合否ではなく、スコアで評価されるTOEIC Bridge L&Rは現在の学力と伸長が分かりやすいので、継続的な学習を促す上でも非常に効果的だと思います。学校としては、試験日を自由に設定できるのもよかったですね。

彼らの学習ノートからは、高校での既習内容を振り返るだけでなく、自らの学習方法について課題や気づきを得たり、英語の必要性を実感したりして、「これから頑張ってみようかな」という意欲も見られました。本校の特色は、各教科の教員だけでなく、コース主体で一丸となって生徒を指導している点です。ゆくゆくは、通常の授業との連動も意識したプログラムへとより発展させていきたいと考えています。
大学入学試験での活用

TOEIC® Programは全国の大学において、入学試験で活用されています。

国公立大学

69

北海道大学・国際教養大学・筑波大学・東北大学・千葉大学・お茶の水女子大学・東京大学・横浜国立大学・大阪大学・九州工業大学 etc…

北海道・東北地方

25

札幌学院大学・北海道科学大学・弘前学院大学・東北学院大学・石巻専修大学 etc…

近畿地方

74

同志社大学・龍谷大学・関西大学・近畿大学・京都外国語大学・京都先端科学大学・摂南大学 etc…

東京都

67

青山学院大学・学習院大学・芝浦工業大学・上智大学・玉川大学・中央大学・東京理科大学 etc…

関東・甲信越地方
(東京都除く)

64

獨協大学・千葉工業大学・関東学院大学・中央学院大学・群馬医療福祉大学 etc…

北陸地方

6

金沢学院大学・金沢工業大学・金沢星稜大学・北陸大学・福井工業大学・北陸大学 etc…

東海地方

34

中京大学・名古屋外国語大学・愛知淑徳大学・愛知大学・名城大学・岐阜聖徳学園大学 etc…

中国・四国地方

21

広島修道大学・徳島文理大学・岡山理科大学・吉備国際大学・広島経済大学 etc…

九州・沖縄地方

30

九州産業大学・西南学院大学・福岡大学・長崎外国語大学・立命館アジア太平洋大学 etc…

入学試験では、TOEIC L&RとTOEIC S&Wを活用した英語4技能入試を実施している大学が増加しています*2

TOEIC L&RとTOEIC S&Wを活用した英語4技能入試を実施している大学数

*2
株式会社旺文社調べより

TOEIC Bridge Testsを活用した入学試験を実施している大学

全国の学校で、英語学習の動機付けとして活用されています

TOEIC Programを導入している学校の6割以上が「英語学習へのモチベーションが維持できる」、半数以上の学校が「特定のスコアを目標にすることで、学生が達成感や自身をもてるようになる」と回答。

高等学校 (高等専門学校・中等教育学校4~6年生含む)

Q.TOEIC L&Rを実施することには、
どのような利点があると思いますか?
(複数回答)

Q.TOEIC S&Wを実施することには、
どのような利点があると思いますか?
(複数回答)

「英語活用実態調査【学校(大学・高等学校ほか)】2019」より TOEIC Testsを利用している高等学校の回答結果
TOEIC® Programなら、効果的な学習計画が立てられます

英語力の育成には、生徒が自分自身の現状を把握することが大切です。
TOEIC Programは、合否ではなく、スコアで結果が出るため、自分自身の英語力の把握や適切な目標設定が可能です。また、現在の英語力を可視化することで、生徒のモチベーション向上につなげられるだけでなく、継続して受験すること伸びを実感することができます。

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TOEIC® Programで学生・生徒の現在の英語力を測定

 

テスト結果は合格・不合格ではなく、スコアで表示されるため、生徒の現在の英語力が客観的に分かります。英語学習の初・中級者には、TOEIC L&Rよりもより日常的で身近な題材のTOEIC Bridge L&Rからトライすることもできます。

2

ゴールを設定する

 

評価基準は常に一定であるため、一人一人のレベルに合わせて目標を設定することができます。

3

弱点を克服する

 

TOEIC L&RではScore Descriptors(レベル別評価)で、リスニング、リーディングにおける英語コミュニケーション能力の長所が確認でき、効果的な学習計画が立てられます。同様に、TOEIC S&WではScore Range Descriptors(スコアレンジ別評価)で、スピーキング、ライティングにおける強みや弱みが把握でき、レベルアップに必要な課題が明確になります。

高等学校での活用事例

法政大学中学高等学校

~英語学習へのモチベーション維持を目的として、 進学要件達成者にTOEIC® Listening & Reading Testの受験を推奨~

内部進学要件を達成した生徒の英語学習に対するモチベーションを卒業時までどうやって維持、向上させていくかも、本校が抱える課題の1つです。そこで、TOEIC Bridge L&R 72点を達成した生徒には、2年生の9月受験時からTOEIC Bridge L&RとTOEIC L&R のどちらを受験するか選択できるようにしました。
しかし、TOEIC Bridge L&RとTOEIC L&Rはメインとして想定しているターゲットや出題レベルが異なるため、TOEIC L&Rを導入した当初は「レベルが違いすぎて全然ついていけなかった」「もっと高いスコアが取れると思っていたけれど、考えが甘かった……」と、予想以上にスコアが取れなくて落ち込んだり、2つのテストの違いに衝撃を受けたりする生徒がいました。学習の成果を測り、自信やモチベーションアップにつなげるためのテストが逆に「英語嫌い」を助長してしまっては意味がないため、TOEIC L&Rへの移行については、各生徒のTOEIC Bridge L&Rスコアや学習状況などを慎重に見極めながら、勧めるようにしています。
その他、IPテスト受験に対する生徒のモチベーションを上げるため、普段の授業から小テストやゲームなどを取り入れ、スモールステップで成功体験を積み重ねていくようにしています。また、IPテストスコアの伸びを授業の平常点に加算したり、IPテストの経験を活かすことができるよう定期テストに占める初見の問題を増やしたりするなどの工夫も行っています。
初・中級者向けのTOEIC® Bridge Testsをご存知ですか?

TOEIC Bridge® Testsは、英語学習初級者から中級者を対象とした、日常生活で活きる英語の力を測定する、世界共通のテストです。
聞く・読む力を測る TOEIC Bridge L&R と話す・書く力を測る TOEIC Bridge S&W により、4技能(聞く・読む・話す・書く)全ての英語コミュニケーション能力がわかります。
英語を基礎から学びたい方や、TOEIC Testsへの架け橋としてとても効果的です。

1

1    英語学習の初・中級者におすすめなテスト

 

初・中級者の4技能(聞く・読む・話す・書く)全ての英語コミュニケーション能力が測定可能です。
リスニングの出題スピードは、TOEIC L&R よりゆっくりで、例としてはネイティブスピーカーが「注意深く話す」際のスピードです。

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2    TOEIC® Testsよりも日常的で身近

 

日常会話はもちろん、メール、SNS、ビデオ通話など現代のコミュニケーションシーンや、複数人での会話、図表や写真などを使ったやりとりなど、実際の場面に即した英語能力が測定できます。

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3    TOEIC® Testsよりも試験時間が短い

 

TOEIC L&R : 約2時間 → TOEIC Bridge L&R 約1時間
TOEIC S&W : 約1時間20分 → TOEIC Bridge S&W 約52分

TOEIC Bridge L&Rはこんな場合の活用に最適
  • 学生・生徒にとってTOEIC L&Rではまだ負担が大きい場合、その負担を軽減し、同時にTOEIC L&R受験への自信をつけることができます。
  • 平日の授業時間を使って実施をしたい場合、試験時間が約1時間なので、授業時間に収めることができます。
  • 学生・生徒の能力に幅がある場合、初・中級者のレベルがより詳細に把握できます。
TOEIC Bridge Testsの実施メリット
  • 設問の設定シーンにリアリティがあるため、実践的な英語力を測定できる
  • 結果がスコアでわかるため、生徒の学力や伸長がわかりやすく、生徒にとっても現状の英語力を正しく把握する
  • 評価の標準化が難しいとされるSpeakingにおいては、生徒の実力をより客観的に評価することができる
  • テストや発信力の評価などに活用でき、教員の業務負担軽減につながる

TOEIC® Program
英語によるコミュニケーション能力を幅広く評価する世界共通のテスト