- IIBCホーム
- TOEIC Program 団体受験のご案内
- 活用事例
- 高等学校
- 高槻高等学校
国内初のケンブリッジ認定校が実践する、内容重視のグローバル教育
本校は、大阪府高槻市に1940年に創立された6カ年の完全中高一貫校です。
特色ある教育活動のひとつとして、国内の中学・高校で初めてケンブリッジ大学出版の「English Educational Partner」に認定されており、英語教育のグローバル・スタンダードである「ケンブリッジ英語」を採用して、大量の音声インプットによる自然な発音・抑揚の習得と内容重視の言語教育を実践しています。授業中は日本語を原則使用せず、アウトプットを徹底。単語は文脈化されたシチュエーションやリスニングを通じて学び、未知語も文脈から推測させる設計で、常に「考える力」を育成しています。
中でも、国際的な課題への取り組みを通して、グローバルヘルス向上のための次世代リーダーの育成を目指す、Global Advanced(GA)コースでは、文法偏重の英語教育ではなく、英語を使うことで様々なテーマについて語る教育を行っています。例えば、米国ハーバード大学でのリーダーシップ研修や、パラオ共和国・台湾でのフィールドワークなどです。パラオでは健康・衛生問題をテーマに、現地の肥満問題について英語で現地の人々と議論し、解決策を提案するといった探究活動を行っています。
こうした日常的なインプットや実践的な活動で培った英語力を、いかにして定着させ、可視化するかがひとつの課題でした。
即興力と論理構築力を測るために
そこで本校では、GAコースの生徒を対象に、2024年から2025年にわたってTOEIC® Speaking Test(以下、TOEIC Speaking)の団体特別受験制度(IP:Institutional Program、以下IPテスト)を実施しました。初回は1年次のパラオ・台湾研修前(2024年9月)に、2回目は2年次の12月末時点での伸長測定です。全44名中、26名の生徒が2回とも受験しました。
数ある外部試験の中でTOEIC Speakingを選んだ最大の理由は、単なる英会話力や文法知識を問うのではなく、「論理的に構築して伝える力」をスコアで可視化でき、学習の継続的な成長につなげられると判断したためです。
生徒には、準備された原稿の読み上げではなく、その場で情報を整理し、タスクに応じて限られた時間内で論理的に話す即興力を求めています。帰国子女のように英語を流暢に話せる生徒であっても、テストでは情報を論理的にまとめきれず、意外にスコアが伸びないことがあります。こうした「伝える力」を測る指標として、TOEIC Speakingは本校の教育方針と合致していました。
またPC端末さえあれば実施でき、授業内の20〜30分で運用可能なうえ、他の英語外部テストと比べて費用も安価であるため、導入ハードルが非常に低いことも大きな決め手でした。
スコアの可視化が生徒の自信と主体的な行動に
2年連続で受験した生徒26名のスコアは、平均で23.8点アップしました。特にFluencyの面で大きな伸びが確認できました。
また、スコアが可視化されたことで、生徒全体にも良い変化が起きています。TOEIC Speakingは「論理や一貫性」を重視し、自分の言いたいことが相手にきっちり伝われば加点評価されるテストであるため、「英語を完璧に話さなければ」ではなく、「まずは情報を整理して、伝えたい中身にフォーカスしよう」という意識へと転換が進みました。これにより、英語にそれほど自信がなかった生徒でも「論理的に話せば相手にも伝わるし、点数が取れる」ことに気づき、教室内での学び合いが活性化しました。
さらに、スコアアップという成功体験は、生徒たちの主体的な行動に直結しています。交流のある台湾の高校生が本校を訪れた際、これまであまり前に出ることのなかった生徒が、自ら司会や代表挨拶に立候補してくれました。自分たちが頑張ってきたことがスコアとして実を結び「自分の英語でも伝わるんだ」という確かな自信を得たからこその行動だと感じ、非常にうれしく思いました。
なお、2回目の実施では自宅で受験してもらいました。これにより、人前で話す状況に強いプレッシャーを感じてしまう生徒も、リラックスして本来の実力を発揮でき、大幅なスコアアップにつながるという予期せぬ良い効果もありました。
経験を一過性の思い出にしないエッセイコンテスト
TOEIC Speakingと並行して、海外研修に参加した生徒にはその成果発表として、『IIBC高校生英語エッセイコンテスト』への応募に向けたエッセイ執筆を課しています。
執筆のタイミングは、帰りの飛行機内です。現地での興奮や喜び、時には自分の英語が通じなかった悲しみや悔しさなど、リアルな感情が鮮明なうちに言語化させることが重要だと考えているからです。
綺麗な文章や整った構成だけであれば、今の時代、生成AIを使えば簡単に作成できてしまいます。しかし、体験に伴う痛みや感動といった生身の思いを自分の言葉で探り、英語で論理的に構築し直すプロセスこそが、生徒の思考を深く定着させます。エッセイコンテストは、海外での貴重な経験を単なる思い出で終わらせず、自己の成長へと繋げるための重要なツールとして機能しています。
今後の展望と、他校の先生方へ
今後のテスト実施の展開については、現在行っている多様な国際教育プログラムや通常授業との時間的なバランスを考慮しながら検討していく段階です。まずは今回得られた2年間のスコアデータを詳細に分析し、今後の授業展開や指導にしっかりと活かしていきたいと考えています。生徒の成長を可視化する指標として、非常に有意義なデータを得ることができました。
現在の高等学校の学習指導要領における論理表現の授業は、情報を整理し、的確な英語で発信する力を養うように設計されています。TOEIC Speakingは、まさにこの論理表現の授業で目指す能力を直接的に測ることができる、学習指導要領と非常に親和性の高いテストと考えます。
特別なコースを持っていなくても、内容重視・アウトプット重視の英語教育を推進したいとお考えの学校にとって、成果が分かりやすく、かつ導入の手間がかからない本テストは、教員と生徒双方のモチベーションを高める有効な選択肢になるはずです。
(2026年2月取材)
(テスト名称を含め掲載情報は取材当時のものです)

海外研修とそのアウトプットを通して見つけた「伝える力」

多様なアウトプットの場と、TOEIC Speakingおよびエッセイコンテストを通じて、生徒たちはどのような成長を実感しているのでしょうか。
GAコースの高校2年生3名に話を伺いました。
(後列)横山先生(前列左から)齋藤さん、堀竹さん、南部さん
齋藤 碧
さん TOEIC Speaking スコアが2回連続180点キープ
パラオでの学校訪問で、現地の子どもたちと交流した際、ゲームのルールを英語で説明する機会がありました。相手の理解度を見ながら臨機応変に伝えるのは非常に難しく、即興力の必要性を痛感しました。
TOEIC Speakingは準備時間が短く、瞬時に自分の意見を論理的にまとめる必要があります。これは、私が参加しているディベート活動などにおける、「短い時間で考えをまとめて発信する力」を鍛えるのにとても役立っていると感じます。また、エッセイを書くプロセスでは、日本語で感じた繊細な感情にぴったりの英単語を探究することで、表現の幅が大きく広がりました。
堀竹 雅音
さん 発音評価がMediumからHighへ向上
ハーバード大学でのリーダー研修中、最初は自信がなく、日本人同士で固まって日本語を話してしまった後悔がありました。しかし、最後は楽しもうと積極的にコミュニケーションを取れるようになりました。
2回目のTOEIC Speakingで発音やイントネーションが高く評価されたことは、「自分の英語でもしっかり相手に伝わるんだ」という大きな自信と安心感につながりました。また、エッセイコンテストでは、難しい言い回しを使わず、簡単な英語で具体的に書くことを意識しました。研修時の学びや体験などを振り返りながら書くことで、「ただ楽しかった旅行」で終わらせず、自分自身の成長や経験の意味を深く見つめ直すことができました。
南部 佳奈
さん 校内で最大となる80点のスコアアップ
モンゴルでの医療探究では、現地の医師に短い時間で英語のインタビューを行いましたが、結論から論理的に話せず、うまく伝わらない悔しさを味わいました。一方で、多国籍なメンバーとは積極的に交流し、今でも連絡を取り合う仲になれました。
海外研修を経て「自分の意見をパッと思い浮かべて話す機会」が増えた結果、TOEIC Speakingでも自信を持って答えられるようになり、80点というスコアアップにつながったのだと思います。細かい文法を気にするより、伝えたい中身にフォーカスできるようになりました。また、エッセイに「看護師になる」という長年の夢と、その強い理由を言語化して書いたことで、自分の決意がより確かなものになりました。