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『英語教育』(2025年6月号)
4技能測定により生徒の英語力を多方面から把握。生徒自身も伸びを実感
山形県立新庄北高等学校
WEBサイト

TOEIC Bridge® Tests
英語科教諭
大竹 大介 氏
山形県立新庄北高等学校は、深い学びの機会を提供する探究コースのある山形県北部の進学校です。 地域理解プログラム等教育課程にも特色があります。同校英語科の大竹大介先生に、英語教育の方針や TOEIC Bridge Testsの活用についてうかがいました。
取材:『英語教育』編集部
新庄北高等学校の英語教育で大切にされていることは?
授業内がコミュニケーションの場となるように、目的や場面・状況の設定をすることを最も意識しています。特に教科書の内容をいかに自分ごとにするか、社会と自分とのつながりを身近なこととして意識できるようにするかを工夫しています。
例えば、日本とスウェーデンの文化の違いに関する漫画を教科書で扱った時は、同僚の先生のスウェーデン人の友人に自国の文化についてプレゼンしてもらい、それを受けて生徒は日本文化について紹介しました。
このほか、東南アジアの高校生とのオンライン交流や、山形県庁の国際交流課を介したオーストラリアのディクソン・カレッジの生徒たちとの手紙での交流といった取り組みも行っています。
コミュニケーションの目的や場面・状況を意識した指導をされているのですね。
そうした中でのTOEIC Bridge® Tests導入の経緯は?
実践的な英語コミュニケーション能力を測れることや、大学入学共通テストとの相関性の高さを聞いていたため、関心がありました。さらに、大学生や社会人になると英語力を身につけていく過程において、TOEIC Testsのスコアが必要となる場面が多くあります。生徒の将来につながるテストとして、またTOEIC Testsへの架け橋として高校生のうちから同形式のテストを受験することは生徒にとってアドバンテージになるとも考え、TOEIC Bridge Testsを導入することになりました。保護者からも好意的に受け止められていますし、私自身、学生時代からTOEIC Testsを受けており、個人的にも馴染みがありました。
本校では2024年度、英語初中級者を対象とした、聞く・読む力を測る「TOEIC Bridge Listening & Reading Tests」と話す・書く力を測る「TOEIC Bridge Speaking & Writing Tests」という4技能を測るテス トを1,2年生全員が受験しました。生徒の英語力向上のためには、4技能を総合的に育成する必要があり、普段の授業では4技能をまんべんなく身につけるための英語教育を行っています。生徒の英語力を様々な角度から分析するためには、聞く・読む力(受信力)だけでなく、話す・書く力(発信力)も不可欠だと考え、今回、4技能でのテストを実施しました。
テスト結果を見て、生徒自身が今の自分のリアルな英語力がスコアでわかり、また、強みや弱みも知ることができるのが良いと思います。
教員にとっても、指導してきたことの良い点や不足点が把握できて、授業改善にもつながり、非常に意義が大きいと感じています。例えば、スピーキングとライティングで生徒の成績に差がある場合など、指導の精度を上げ、授業での支援をどう行うか、考えるきっかけになりました。
受験した生徒の感想など具体的に教えていただけますか?
スコアが前回から20点も伸びた生徒は本当に嬉しそうに報告に来てくれて、生徒の自信につながっていると実感しました。さらに成績上位者には賞状が贈られるのも励みになっているようです。
受験後のアンケートでは、また受験したいという回答が多く、英語力をもっと上げたい、英語の授業をがんばろうと思った、といった意見もありました。自分の力に自信を持てたという生徒もおり、経年での変化が目に見えることの良さを感じました。テスト結果が合否ではなく客観的なスコアとして出るので、特に可視化が難しいスピーキングについては自分の伸びを把握するのに有益だと思います。英語が得意でない生徒にとっても、他人との比較ではなく、自分の1年次の成績と比べて成長が実感できるという点で、とても良い指標になっているようです。
TOEIC Bridge® Testsは今、高校で主流となっているタスク(問題解決)型の設問ですね。
本校では前述した通り、目的や場面や状況に応じて、英語を運用できる力を育成する授業を行っています。例えば、屋久島の大きな縄文杉の話をもとに、縄文杉の写真にキャプションをつける活動を行ったところ、生徒たちは悪戦苦闘しながらも熱心に書いていました。自分で考えて自分の言葉で表現することは、実際のコミュニケーションに通じる有意義な活動だったと思います。
TOEIC Bridge Testsは図表や写真を使った設問が多数あり、こうした活動で得られた実践的なコミュニケーション能力を測定できるテストだと感じました。直接的なテスト対策は授業で行っていませんが、授業で行う活動が結果的にテスト準備になっているようです。
今後、授業で取り組みたいことは?
授業の中で、よりオーセンティックな素材を使っていきたいと思っています。最近、海外のニュースを用いたリスニングの授業を始めました。30秒程度のニュース動画のキャスターを真似して音読練習し、それを動画に撮影します。最も良くできた動画を提出することをパフォーマンステストとして行いました。生徒たちは思った以上に何度も練習を繰り返して、動画のキャスターそっくりなイントネーションで話せるようになっていました。
もう1点、“philosophy for children” (子供のための哲学的対話)の頭文字を取った、“p4c”という活動があります。円になって話し合う活動で、「対話のテーマ=問い」そのものから生徒が考えるというものです。「1人ひとりの小さな行動で世界の未来は変わるのか」といった問いを立てて、それについて思っていることを順番に話してもらいます。非常に思考力が求められますが、生徒にも意外に好評で、お互いの発言を受け入れた上で自分の意見を話していたのが印象的でした。思考力にもつながるこうした活動は重要ですし、今後も続けていきたいと思っています。
ありがとうございました。
(2025年2月21日取材)
(テスト名称を含め掲載情報は取材当時のものです)
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